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全部嘘です(嘘)


by kemicho
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いい歌だとしてもそれは思いとどまらないか普通。

自分が芝居をやっていたり、周りに芝居の関係者がなぜか多かったりする関係上、アマチュア劇団の芝居を見に行くことが結構あります。
今日は、その中から、特にひどかった芝居をご紹介したいと思います。

劇団名は伏せますが、まあ、その、アレな名前でした。
少なくとも三十路を越えた女性がやっている劇団につけていい名前じゃないことだけはお伝えしておきます。






芝居の中身は、結婚相談所が会員相手に、結婚するための所作を身に付けるための合宿のようなものを開催、そこに集まった2人と、結構相談所の所長と助手のお話でした。

<登場人物紹介>

所長・・・なんかエライ人。今度、新進気鋭のIT会社社長と結婚することになっているが、そのことを助手が言うと、なんだか複雑な表情をして口を濁す。ちなみにこの役についているのがこの劇団の団長。

助手・・・相談所の助手をやっているくせに、なぜか合宿には研修を受ける側で参加。この時点でだいぶ意味不明。

A子・・・結婚に過剰なまでに夢を抱いている女。でも第一条件は金持ち。

B子・・・結婚どころか男と付き合うことにすら全く興味のない女。相談所には祖母の勧めでやってきた。


芝居の前半は、なんか所長が講師になって、助手が助手をやりつつ研修も受けるというよく分からない状態ながらも、普通にテーブルマナーとかお茶のマナーとかなんかそれっぽいことをやっていました。

で、結局なんだかんだありながら、研修に来たA子とB子は、結婚て素晴らしいね!私たちだってそれぞれ素敵なところを持っているんだから、きっといい相手にめぐり合えるよね!ってな感じで去っていくわけですが。


これで終わりじゃないんです。


所長の結婚話。
これに触れられるたびに、所長は口を濁していたわけですが。
実は、この所長、以前行き倒れていた男を介抱したことがきっかけでその男と付き合ったのだが、なぜかその男は姿を消し、しばらくして件のIT社長と出会い婚約したとのこと。
つまり、その姿を消した男のことが気がかりで、このまま素直に結婚はできないと言い出します。

でも、実はその男とIT社長は同一人物であり、さらに助手はその男の妹だったとかそういうオチだった気がします。気がします、というのは、なんか色々説明的な長台詞で説明されたのですが、イマイチよく理解できなかったので。

で、結局のところ、この所長が一番いい結婚相手となんの気がかりもなく幸せに結婚します、という劇団長が結局一番良いポジションに収まったところで終わるのですが、その所長の最後のセリフがコレ。


「私たちは、世界に1つだけの花なのだから・・・!」


ハイ。ここで勘のいい方は気付いたかもしれません。つーか気付くよ普通。


えーと、芝居とか見る方は分かると思うのですが、最後にカーテンコールというものがあります。
普通は、最後のセリフの途中から、BGMがフェードインして照明がフェードアウトして、次に照明が点いたときには、役者が全員舞台に横一列で並び、観客に向かって挨拶をする、とかそんな感じです。


で、てっきり私は、このあとにソレがあるのかと思っていたのですが。

正直甘かったです。
どのくらい甘いかというと、あんこ玉に砂糖ぶちまけてカスタードクリームつけて水あめに浸してチョコレートかけたくらい甘かったです。


先ほどの最後のセリフ。
「私たちは、世界に1つだけの花なのだから」
これから連想されるのは何でしょう?
1つしかないですね。
SMAPの『世界に1つだけの花』という歌。
まあ当時大流行でしたし、最後のBGMで流れるかな~とは思いましたけど。

まさか、あんなことになろうとは・・・。




最後のセリフが終わり、「あー、やっと終わったよ。さ、帰ろうかな」と思った瞬間。


『ら~ら~ら~ららら~ら~ら~歌ってるよ!


なんと、彼女たちは自ら「世界に1つだけの花」を歌い出しました。
アカペラで。
しかも振り付きで。


もうね、ビックリした。
観客の誰もが口をポカーンとあけて、目の前の自体を理解するのに必死だったことでしょう。
その間も、彼女たちは歌いつづけ、ついに1コーラスが終わろうとしていました。

とうとう1コーラス歌いきったよコイツら・・・でもこれでやっと解放される・・・僕は瞬間の悪夢を見ていたんだ・・・と思ったのも束の間、



2コーラス目に突入しやがりました。



もうこの時点で、観客席からは失笑が漏れ、あからさまに客の全員がどっ引き状態でした。


しかしそんなことにはお構いなしに、歌いつづける彼女たち。
2コーラス目も終わり、もう終わりだろう、もういいだろう、これ以上私たちを苦しめるのはやめとくれ、それでも人の心を持っているのか、きさまは鬼じゃ、人の形をした鬼じゃ、この村から出て行け、出て行かぬのならこちらにも考えがある、いや待ってくれ庄屋さん、なんだい鍛冶屋の旦那、とか妄想に逃避しようとしましたが、まだまだ悪夢は終わりませんでした


結局奴らは、とうとうフルコーラス歌いきりました。




いやね。いい曲だってのは分かるんですよ。
で、その曲を使いたいってのも分かるんです。
分かるんですけど、そのためになんか無理矢理な脚本を書いて、それだけでは飽き足らず、観客に対して自分たちのアカペラの歌(しかも大してうまくもない)をフルコーラス聞かせるってちょっとどうかと思いませんか、と。


もうね、ホントにビックリだよ。ホントにビックリしたので、アンケート用紙に思わず36歳になったアトムのどアップを描いてきてしまいました。アンケート読んだ人ゴメンナサイ。
by kemicho | 2004-10-16 02:04 | 昔の話